「レシピ通りの分量を量ったのに、全然膨らまない…」 「焼き上がったパンから、なんだか強いアルコール臭(イースト臭)がする…」
パン作りを始めたばかりの頃、こんな経験をして「私には才能がないんだ」と落ち込んだことはありませんか?
ちょっと待ってください!それはあなたの腕のせいではありません。 十中八九、使っている「イーストの種類」か、その「保存方法」が間違っているだけなんです。
今回は、パン作りにおける「命」とも言えるイーストについて、「なぜ赤と金があるのか?」「なぜ常温じゃダメなのか?」を、科学の視点でわかりやすく解説します。これを知るだけで、失敗の確率はグンと下がりますよ!
1. そもそもイーストって何?(ただの粉じゃない!)
スーパーの製菓コーナーに行くと、「ドライイースト」という粉末が売られていますよね。 見た目はただの茶色い粒ですが、これ、実は「生き物」なんです。
イーストは「酵母(こうぼ)」という微生物の一種。 彼らはパン生地の中で、こんな活動をしています。
- 食べる: 生地のなかの「糖分」をエサにして食べる。
- 出す: 「炭酸ガス」と「アルコール」を出す。
この「ガス」が風船のようにグルテンの膜を押し広げることでパンが膨らみ、「アルコール」が焼いた時の良い香りになります。 つまり、私たちは「微生物に働いてもらってパンを作っている」という意識を持つことが大切なんです。
💡 ここがポイント イーストは生き物。「生きている」からこそ、心地よい環境(温度・湿度・エサ)を整えてあげる必要があります。
2. 「赤サフ」と「金サフ」の違いって?(浸透圧の話)
パン作りをする人が必ず一度は目にする、フランスのルサッフル社が作っている「サフ(Saf-Instant)」というイースト。 パッケージに「赤色(赤サフ)」と「金色(金サフ)」のデザインがありますが、この違い、ちゃんと説明できますか?
「どっちでもいいや」で使うと、失敗の原因になります。

\まずはこれがあればOK/
初心者さんが最初に買うなら、食パンからピザまで万能に使える「赤サフ」がおすすめです。500gの大袋は家庭では使いきれないので、まずは125gの小箱から始めましょう!
- [https://a.r10.to/h9PK9X:赤サフ 125g]
- [サフ インスタントドライイースト 赤 125g を見てみる]
甘〜い菓子パンを極めたい方は、こちらの「金サフ」を持っておくと安心です。
- [https://a.r10.to/hPWlH8:金サフ 125g]
- [サフ インスタントドライイースト 金 125g を見てみる]
🔴 赤サフ(低糖性):甘くないパン用
- 得意なパン: 食パン、フランスパン、ピザ生地など
- 砂糖の量: 粉に対して0%〜12%くらいまで
最も標準的なイーストです。砂糖が少ない、シンプルなパンを作る時はこちらを使います。
🟡 金サフ(耐糖性):甘いパン用
- 得意なパン: 菓子パン、ブリオッシュ、デニッシュなど
- 砂糖の量: 粉に対して12%以上
砂糖がたっぷり入った甘い生地を作る時は、必ずこちらを使います。
🎓 なぜ使い分けるの?(科学のじかん)
ここで少しだけ「科学」の話をしましょう。キーワードは「浸透圧(しんとうあつ)」です。
ナメクジに塩をかけると縮んでしまいますよね? あれと同じ現象がパン生地の中でも起きます。 砂糖には「周りの水分を吸い取る力(保水性)」があります。 生地に砂糖が大量に入っていると、イースト細胞の中の水分が砂糖に吸い取られてしまい、イーストが脱水症状を起こしてしまうのです。
- 赤サフ: 脱水症状に弱い。砂糖が多いと元気がなくなり、膨らまなくなる。
- 金サフ: 砂糖の圧力に負けないように鍛えられたエリート。甘い生地でも元気にガスを出せる。
だから、「甘いパンを作るのに赤サフを使うと膨らまない」という現象が起きるのです。 これから揃えるなら、まずは汎用性の高い「赤サフ」を。もし菓子パンを極めたいなら「金サフ」も追加で購入しましょう。
3. その保存方法、イーストを殺していませんか?
ここが今回一番伝えたいポイントです。
「イーストを開封した後、袋の口をクリップで留めて、常温の棚に入れている」
もしこれをやっていたら、今すぐ救出してあげてください! 先ほど言った通り、イーストは生き物です。
イーストの3大天敵
イーストは生き物なので、以下の環境に弱いです。
- 酸素(酸化して劣化する)
- 湿気(勝手に目覚めてしまい、活動エネルギーを使い果たす)
- 温度変化(温かいと活動し始めてしまう)
常温保存、特に湿気の多い日本の夏場に常温で置いておくのは、イーストにとって過酷すぎます。活動力が弱まると、パンが膨らまないだけでなく、死滅したイーストが分解して嫌な臭い(イースト臭)の原因にもなります。
✅ プロ推奨!正しい保存ルール
- 未開封: 常温(冷暗所)でOK。
開封後は以下の手順で保存してください。
- 袋の口をしっかり閉じる(空気を抜く)。
- さらに密閉容器(タッパーやジップロック)に入れる。
- 「冷蔵庫」または「冷凍庫」に入れる。

特におすすめなのが「冷凍庫」です。「えっ、冷凍して凍らないの?」と心配になりますが、ドライイーストは水分が少ないのでサラサラのまま凍りません。使う時は冷凍庫から出してそのまま計量してOKです。
これだけで、イーストの寿命(発酵力)が半年以上長持ちしますよ!
私は袋の口をクリップで留めてから、さらにこういった「密閉容器(フレッシュロックなど)」に入れて冷凍庫で眠らせています。湿気を完全にシャットアウトできるのでおすすめですよ。
[https://a.r10.to/hRXhyV:タケヤ化学工業 フレッシュロック 300ml]
[タケヤ化学工業 フレッシュロック 300mlを見てみる]
4. 「ドライ」と「生」どっちがいい?

レシピ本によっては「生イースト」が載っていることもありますが、初心者のうちは「インスタントドライイースト」一択で大丈夫です。
- 生イースト: 風味は良いが、賞味期限が2週間程度と短く、管理が難しい。
- インスタントドライイースト: 管理が楽で、安定して膨らむ。
まずはドライイースト(赤サフ)を使いこなして、毎回同じクオリティのパンが焼けるようになることを目指しましょう。
まとめ:イーストの「選び方」と「守り方」が成功への近道

たかがイースト、されどイースト。 パンが膨らむかどうかは、彼らの元気にかかっています。
- 赤サフは普通のパン、金サフは甘いパン(砂糖の脱水攻撃に強い)。
- 天敵は湿気・酸素・温度。
- 開封後は「密閉して冷蔵・冷凍庫」が鉄則!
しかしながら、「赤」で砂糖が多いパンが焼けない、作れないというわけでは決してないのであくまでもこれらの作用が働いているんだという道しるべになってもらえたらと思います。
「最近パンの膨らみが悪いな?」と思ったら、イーストが古くなっていないか、保存方法が間違っていないかを見直してみてください。 元気なイーストを使って、ふっくら美味しいパンを焼き上げましょう!


コメント